Thursday 29 May 2008

Longer Weekend in NY & DC

月曜日のMemorial DayにあわせNew YorkとWashington D.C.を訪れた。夏本番一歩手前のマイアミからの避暑旅行。

一つ目のNY。Yankee Stadium。松井のYankeesとイチローのMariners。

地下鉄に乗り最寄り駅で降りると、半数以上のファンが何かしら身に着けている。球場に入ると、フェンスがない。フィールドが近く感じる。試合が始まると、日本のような応援が一切ない一方で歓声やブーイングがゲームを盛り上げる。プレーはもちろん、ファール・ボールの行方にも歓声や拍手が沸く。

地下鉄から歓声まで、観客一人ひとりの"自然"な反応がよく分かる。球場全体の一体感、この一体感に真っ青の芝生と空が彩を加え、最後までKalafを包んだ。

・・・「味方と敵」二元論、熱狂しやすい国民性、分かりやすい(ストレートな)性格・・・、表現(力あるいは方法)。"ball park"はアメリカを身近に感じる空間。

肝心の松井とイチローだが、Kalafが同郷の活躍を誇らしく応援する一方で、当人達の淡々と"仕事"をする姿が静かに響いた。これをプロフェッショナルと言うのか。

二つ目のNY。カレーと中華。

大都市にしては珍しくマイアミには中華街がない。インド料理も少ない。ともにKalafの好物だ。数ヶ月ぶりに食べるカレーと中華。食べ慣れているにも関わらず、懐かしさを感じながら、大きな感謝を抱きながら食べる。またしばらく食べられないことを思うと、思い出さないほうが良い。書くのを止めよう。

三つ目のNY。友人。

先日マイアミに遊びに来た友人宅に泊まった。心の栄養、尽きない話がNYで再現される。

もう一人、かつての同期と再会を果たす。彼はNYで新しい、面白そうな活動を始めた。人それぞれに"あう"と"あわない"があるとすれば、今回の彼は"あう"だろう。疑いなくそう思う。

ともに、自分で考え自分で決めた方向に進んでいるように感じられる。Kalafへ大きな問いを、無言でくれる友人。これは大事な友人の証拠だ。

さて、Washington D.C.。

実はKalafはNYよりもDCが好きだ。アメリカの力(の誇示)を街全体で感じる特別な空気が気に入っている。NYの雰囲気と機能はTokyoやLondonといったいわゆる商業大都市で多少は感じられるようにも思うのだが、DCのこの空気を他に感じたとすれば、それは北京、それも天安門広場付近の政治中枢エリアだけかもしれない。やはりKalafは上海よりも北京を好む。モスクワも同じ空気を想像するが、行ったことがない。超大国に見られる共通点なのであろうか。

今回は8年ぶりのアメリカ合衆国首都訪問、DCの整然とした街並みと初夏の晴天の中、Memororial Dayにちなんだ催しものを横目に、美術館と博物館巡りを楽しんだ。太陽と海のマイアミではなかなか得られない文化と芸術のinspiration(ただし、マイアミでも現代アートは少なくない)。

DCにはまた来る理由がある。

マイアミも未だに非日常のようだが、それ以上の非日常を浴びた週末。外に出ることは、いつでもどこでも面白い。

Friday 23 May 2008

Barack Obama

雰囲気、勢いと力。Barack Obama。

民主党の大統領候補の座をほぼ手中にしたObama。彼の"言葉"によってこれだけの人の支持が生まれたことを、もはや不思議には思わない。Obamaはすごい。惹き込まれた。

もともと話すのが上手いのであろう。雰囲気が生まれる。加えてこれからMcCainとの大統領争いに突入する勢いが自信を伴ってメッセージに込められる。昨日のHillaryとは宿っている力(momentum)が違う。

説明できない。とにかく、すごい。違う。みなぎっている。

Obamaの真価が問われるのはこれからだ。landslideで優勝決定戦までは勝ち抜いた。本戦は11月。人種を乗り越えて、得意のキー・メッセージだけではなく、アメリカ市民(American Citizens)の期待と、そして信頼が彼を最終的に選ぶのかどうか。

Kalafの握った彼の手は、これから何をどこまでつかむのだろうか。

Wednesday 21 May 2008

Hillary Clinton

水色のスーツを着て、彼女はそこにいた。Hillary Rodham Clinton。

聴衆は1,500人程度、HillaryがUniversity of Miamiで集会を開いた。約30分、そのスピーチは主に三つのフォーカスで構成されていた。

1/ フロリダ州が民主党全国委員会が定めた日程より先に予備選を開いたために無効となった予備選結果(Hillaryの勝利)を有効とするよう訴えること。
2/ 政策、主に医療と教育、雇用を中心とした社会保障のアウトライン。イラクからの米軍の撤退についても少々。
3/ John McCainおよびBush政権へのカウンター。ただし、"Democrats(民主党員)"として。

#2はHillaryの真骨頂である社会保障政策を「選択の機会をより広く提供する」という観点から述べたもの。突っ込んで話をしたわけでもなく、特に真新しさはない。

興味深かったのは#3だ。"vs McCain / Bush"を必ずしも"Hillary軸"からではなく、"民主党軸"からカウンターしたことだ。また、今日のスピーチの中で"Obama"の名前は一言も発せられなかった。このことが何を意味するのか。Hillaryが彼女の描くexit strategy上にいることは確かだ。

さて、大統領候補としてのHillaryについて率直に感じたことを述べる。なかなか"率直"には書きにくいのだが、実はそれほど大きなインスピレーションや興奮を得られたわけではなかった。誤解を恐れずに言うと、「Hillaryも一人の人間なのだ」というやや消極的な印象を最後まで拭い切れなかった。

確かにこのタイミングでHillaryにmomentumを求めるのは無理がある。また、もちろん"強い"Hillaryという印象は受けた。ただ、それでもYouTubeで見るObamaの名演説に比べると、"役者"の違いは明らかであった。

そしてこのことは、カリスマやスター性によって、それはObamaが多分に有しているものであるが、Hillaryがここまで上り詰めてきたわけではなく、彼女の政策や政治姿勢が広く支持されてきたことを物語っているようにも思えた。間近で見るHillaryの笑う顔は、それがどこかObamaの持つ生来の余裕とは異なる、"築き上げられた"自信と強さに満ちたものであった。

アメリカ合衆国の次期大統領候補を実際に見、スピーチを聴き、この"一人の人間"があらゆる意味で世界を動かす"パワー"を持ち得るかと思うと、政治のピラミッドがどれだけのものなのか想像も及ばないKalafがそこにいた。

Hillaryの手は温かかった。熱を持つわけでもなく、冷め切っているわけでもなく。

Tuesday 20 May 2008

Delicias de España with Dr. Santa

マイアミジャングルに住むDr. Santaさんとスペイン料理「Delicias de España」に行く。日本人の美容師を紹介してくださった方だ。

Kalafの注文したMonkfishのフリット。これも素朴な味でおいしかったが、隣のテーブルにはタパスのような小皿が数種類。どうやらこのお店は幾人かで賑やかに小皿をつまむのが良さそうだ。パエリアも逃した。次回に期待だ。

さて、Dr. Santaさん、なかなかの旅人らしく、旅人のすすめにより近いうちにメキシコ湾側の真っ白な砂浜を訪れよう。

お店を出るとそこにびっくりするデザートが・・・。単にカラフルなだけでも十分に驚くのだが、この車、ロールス・ロイス!何と言う贅沢!

友来たる、バカンス: Key West & Everglades National Park

二日間の総走行距離550マイル(約880キロ)。先週末の友人とのバカンスが近くも遠くも感じられる。

土曜日。早朝からKey Westに向かう。フロリダ半島の最南端から南西方向に50ほどの島々が約200キロに渡り連なる。Kalafの住むBrickellから約4時間、その終着点がKey Westだ。この日の見どころは、Seven Mile Bridge。その名のとおり、海の上を7マイル(約11キロ)もの橋が走る。左右はどこまでも青い海。前方もどこまでも青い空。橋しかないのだが、橋がある。海と空に挟まれて。友人と声高に感動を伝え合う。

Key Westに到着後、当初は泊まる予定だったのだがホテルが空いておらず、しばしのチーズ・バーガー休憩の後、再度4時間の旅に出る。往復8時間以上、一日の睡眠時間より長く走った日だった。

帰宅後は長い長い夜だった。彼の手料理(!)とワイン、尽きることなく話し続ける。高校時代の思い出、仕事、身の回り、社会、日本、将来・・・。前を向いて疾走している彼に大きな大きなモチベーションをもらった。

日曜日。寝不足をこらえ早起きをし、Everglades National Parkを目指す。前日が前日だっただけに、この日はそこまで遠く感じなかった。と言っても2時間は走ったか。街が畑に変わり、畑から林に入ると、そこが国立公園だ。南端に向けての一本道が、しばらくは背の高くない草原地帯を、その後はマングローブ林を突き抜ける。幾つかの緩やかなカーブ以外は本当に真っ直ぐの道を最高時速118マイル(約189キロ)で走り抜ける。目指すはマングローブ地帯。カヤックとマナティ。

マングローブと空に囲まれひたすら漕ぐ。特に何も考えずに、他愛もない話をしながら、ただただ自然を浴びながら友と漕ぐ。カヤックはチームワークだ。これはいい。高校時代に戻ったようだ。

マナティ(ジュゴン)探しのカヤッキング・パーティ(友とKalaf)は、マナティがいると言われるマングローブの根元を凝視しながら蛇行を続ける(好きで蛇行をしているわけではない)。マナティ、マナティ、マナティ・・・。いない。マナティが見られる季節は、秋から春にかけてらしい。

4時間のカヤッキングから陸上生活者に戻り一休みしていたとき、ニュースが届いた。ワニだ。 水面に鼻先を出し、浮いている。しばらくそうしている。恐ろしいと思いきや、意外と愛嬌のある呑気そうな顔だ。ただし、決してかわいくはない。このワニがいるところに4時間も浮いていたのかと思うと、陸から出会えて良かったとほっとする。人をアタックすることはないとのことだが、それでも水上でワニとHello!は落ち着かないであろう。太陽を思いっ切り浴びる。自然の中でカヤックをする。野生の動物に出会う。久しく忘れていた"何か"、説明のできない"何か"。

彼が来る前に彼のこの二日間の希望がKey WestとEverglades National Parkと聞き、実はためらった。あまりにも遠い距離だと思った。やればできるものだ。バカンスなのに"やり遂げた"妙な充実感。Key Westの突き抜ける爽快感とEverglades National Parkの溢れる自然。そして何よりも彼との会話。

面白いことに、海外で一緒に時間を過ごすと関係性がより密になる。彼とは15年の付き合いだが、この週末はその時間を幾重にも濃くした。

頭を空っぽにし、心をいっぱいにしたバカンス。今度はKalafが彼をNew Yorkに訪れたい。

Saturday 17 May 2008

from Sao Paulo to Miami

Sao Pauloでは"基本的には"何も起こらなかった。無事にマイアミに戻った。不思議なもので、マイアミがすっかりホームだ。

ブラジル話は改めてするとして、ここでは"基本的には何もなかった"話をしよう。

出来事は最後にやってきた。マイアミ行きの飛行機に乗れなかったのだ。木曜日の深夜便で金曜日の早朝にマイアミに着くはずだったのだが、Sao Paulo上空の霧のため他の便が遅れ、その乗客が優先的にKalafの便に席を得た。結果、Kalafを含む32人の乗客がはじかれた。席がないのだからどうにもならない。普段らしからずKalafは早々に観念した。翌日、半日遅れて初夏のマイアミに降り立った。

冒頭に"マイアミはホーム"と書いたが、これは必ずしも感覚的なものだけを意味するわけではない。Kalafは入国審査の際、"US Citizens"の列に並ぶのだ。単に住所がアメリカにあるからだけなのだが、それでも違和感と、そして何とも言えない高揚感を抱く。本国を離れた時点で、Kalafの本国における住民票は"剥奪"され、正真正銘、ここマイアミが唯一のホームになったことへの違和感。高揚感は新たな土地を新たなホームにした興奮がまだ冷め切っていないことによるものなのだろう。Kalafのホーム、マイアミ。

さて、Kalafの海外史上最も危険と思われるブラジルから無事に帰国した。明日からはバカンスだ。ただの週末なのだが、それだけではない。高校の友人がNew Yorkから遊びに来た。彼と"The Miami"ツアーに出る。Kalafにとっても初めての"The Miami"巡り、気心の知れた友人との時間はどれだけ悠長に流れてくれるのだろうか。

Tuesday 13 May 2008

Brazil Day-1: on Taxi

(続き)
街を観察するため、ホテルまでの道のりを寝ることなど考えてもいなかった。ところが、車はなかなか進まない。朝の7時、空港を出た時点で既に渋滞している。それでも、観察する意欲は失われず窓の外をしばらく飽きもせず見ていた。どれくらい経ったのだろうか。Kalafは寝た。しかも寝ると決めて寝た。そしてよく寝た。

これが"危ない"理由づけであることは分かっていたが、深夜フライトに加え、ドライバーが日系人であったことが大きかったのだと思う。Kalafは理由づけに成功し、渋滞に大して苛々することもなく、気がつくとドライバーが遠くに見えるホテルを指差していた。二時間のうち大半を寝ていたことにKalaf自身も驚いた。

ところで、Kalafは、国あるいは街の経済発展の度合いを知りうる手段の一つに"車"があると考えている。Sao Pauloはどうか。車の渋滞がこれだけあるということは、車が人々にとって日常の移動手段であることが推測される。しかもタクシーが多いというわけでもなかった。では、どういう車が多いのか。コンパクト・カーだ。圧倒的に多い。

この観察から、個人が車を所有する余裕はある、ただしその余裕はまだコンパクト・カーに限られるのではないか、という仮説が立つ。コンパクト・カーの値段はセダンの1/3から2/3程度であり、かつ一台の車を乗り続ける期間も考慮すると(ここでは新車が少ない)、日本とのおそらくの所得水準の違いを車との比例関係から想像することができる。

さらに確かな比較はスーパーに行くことなのだが、そこまでの勇気と危険察知度が今のKalafにはまだない・・・。

Day-1が"on Taxi"までで終わったわけではないのだが、今日はここまでとしよう。明日は朝から工場巡りだ。そして運が良ければ夜にサッカーを観に行く。楽しみだ。新しい土地は毎日が楽しい。

Brazil Day-1: at Airport

マイアミからの深夜便がSao Pauloに到着したのが朝の6時過ぎ。眠気から緊張感に切り替えタラップを降りる。涼しい。ひんやりとさえ感じる。ここは南半球、季節は秋だ。頭で分かってはいても、これから真夏に向かうマイアミから来たKalafの皮ふが季節の違いを新鮮に感じ取る。

スムーズに入国審査と両替を済ませる。国際線の到着ロビーはそれほど大きくなく、また早朝であるためか人も少ない。まずは第一関門のタクシーだ。数日前、Sao Pauloの現地会社に車両の手配をお願いしたところ、「タクシーは安全だから」とタクシー以外の選択肢がそこでなくなる。あれには少々うろたえた。

空港からのタクシーは、まずチケット売り場で行き先を告げ、チケットを購入する。102レアルと言われ思わず聞き返す。Kalafは60ドルを84レアルに両替したばかりで102レアルに驚いたのだが、正規のチケット売り場、しかもそこしかないため、念のため再確認をした上で料金を支払う。現金は84レアルしかなく、またドルは既にないため、カードだ。早々に海外旅行の鉄則である"なるべくカードは使わない"を断念する。

タクシーは白が基調の小型車。マイアミ(おそらくアメリカ全域)の"cab"は常に黄色、しかも座席が広い"アメ車"と比べ大きな違いだ。ドライバーは日系人、心なしか安心感を覚える。民族のperceptionは、思考より先にくることを実感する。このような体験も海外ならではだ。

さて、102レアルをなぜ驚いたか。高いからだ。てっきり目的地のホテルまで近いものと思っていた。大きな間違いだった。ここからかの有名な交通渋滞が始まる。

(続く)

Sunday 11 May 2008

2泊5日、ブラジル

2泊5日か、初めてだ。南(あるいは北)に飛ぶとこうなるのか。明日の夜からSao Pauloに出張だ。ブラジルについてはほとんど何も知らない。今回はどのような発見があるのだろうか。

外務省の安全対策ページを読むと治安は悪そうだ。Kalafがこれまで訪れた街の中でおそらく一番危ない。世界で最も危ない都市の一つとも言われる。すりや置き引きどころか、銃を突きつけられるらしい。とにかく気をつけよう。不本意ながら、今回は"おとなしく"仕事だけするしかないのか。無事に帰ってきたら、来週末はマイアミでバカンスだ。

"母の日"に穏やかならぬメッセージだけでは申し訳ないので、今日の小さな幸せを。

お昼のサラダにバジルを摘んだ。母を想った。愛情を込めて花や野菜を育てる母の気持ちをマイアミで感じた。

Julius Caesar in Egypt

バロック音楽好き(※)のKalafにとって、ヘンデルのオペラとあらば行かずにはいられない。と言い訳しながら、二週間ぶりのオペラ。ローマのシーザーとエジプトのクレオパトラの愛の物語をヘンデルが彩る。

カウンターテノールのシーザーにまず驚いた。カウンターテノールは男性で最も高い音域だ。もののけ姫を歌った米良美一がそうだ。面白いことに、このオペラではシーザーだけではなくエジプト王もカウンターテノールであった。またポンペイウスの息子は女性が演じていた。

不思議に思い調べてみたところ(Wikipedia参照)、中世のヨーロッパでは「女性は教会では黙すべし」という掟があり、教会の聖歌隊では女性パートを男性が歌っていたらしい。この伝統はイギリスにおいては今日でも続いているらしく、ヘンデルがイギリスで活躍した(ヘンデル自身はドイツ人)こと、このオペラの初公演がロンドン(1724年)であったことを考えるとおそらくの察しはつく。

全体としては、やはりヘンデルの音楽が良かった。うまく説明できないが、ヘンデルにせよバッハにせよバロック音楽特有の弦楽器のアンサンブルとテンポ感がKalafは好きだ。この映像の30秒過ぎ、このバロック音楽の雰囲気を聴いてほしい。実に晴れやかだ。観に行って良かった。

今年のマイアミでのオペラ公演はこれで終わりだ。来シーズンは年間チケット(5公演)を購入することを決めた。

※)Kalafは高校時代、主にバロック音楽を演奏する部活でチェロを弾いていた。今思えば、音楽を本当に好きになったのはあの部活のおかげだ。感謝している。

Saturday 10 May 2008

Obama EventとMother's Day

今日5月10日、アメリカ全州でVOTE for CHANGEというObama民主党候補のキャンペーンが展開された。11月4日の本選で投票するためには登録が必要で、Obamaボランティアが未登録者に登録を働きかけるというイベントだ。そこにはマイアミ・エリアだけでも文字通り老若男女50-60人の人々がいた。Kalafも参加した。

"South Florida(マイアミ圏)に住む半数近くの有権者がいまだに選挙登録をしていない。これは民主主義にとってunfaithfulなことだ。たが、まだ遅くはない。本選挙はは11月4日だ。彼らが私たちのこの国の未来のために民主的なプロセスを通じて政治に関与するためのサポートをしよう"

時間を少し過ぎた頃、エリア・リーダーはベンチに上りこう切り出した。そして、彼の話が終わると"Yes We Can"の大合唱がしばらく続く。

"Unfaithful to democracy"か・・・。"民主主義に対し不誠実だ"、これはstrikingだった。このような場面を実際に見ると、冷戦、資源獲得等の狙いは別にして、"世界に民主主義を広げる"というアメリカ政権に伝統的な外交姿勢がこの国で受け入れられる事実にもはや驚かなくなる。大義名分としての民主主義の存在。"民主主義は多数決"程度に認識されがちな日本とは大違いだ。

自分の支持する候補者を自分ができる活動を通しサポートする。彼らがpolitically active citizensであるとしても、またこういった"草の根"活動がObamaの得意なキャンペーン手法であるとしても、これがアメリカ政治特有のダイナミズムの一面なのだろう。

さて、もう一方の民主党候補、Hillary陣営。娘Chelseaからの母の日のメッセージ・ビデオ。"It's incredibly moving -- I couldn't be more proud"は、夫Bill前大統領から添えられたコメント。

Obamaのキャンペーンがやはり先を行っているように感じるのはKalafだけではないはずだ。

Friday 9 May 2008

天気と季節

実際は空がもっと白く見える。雪が降って白く見えるのと近い。晴れていもいないのにまぶしいくらいだ。

いきなり降り始めた。シャワーかと思ったが、とんでもない。豪雨の上、斜めに降っている。加えて、数分に一度雷が鳴り、稲妻が光る。子供だったら泣きたいくらいものすごい雷雨だ。

数日前から、少し蒸し暑さを感じ始めていた。窓を開けても涼しいとは思わないようになってきた。風がなまぬるい。マイアミの夏は暑いのはもちろん湿度も高く、なかなか過ごしにくいらしい。加えて厳しいほどの陽射し。これから10月くらいまでこういう天候が続くのだろう。Kalafは南の島で生まれたため暑さにも湿気にも慣れてはいるが、はたしてマイアミの夏はどうであろうか。

おや、30分ほどしたら空の表情が変わった。マイアミの空は気性が激しいようだ。窓を開けると空気がすっきりとしている。ということは、夏はまだまだこれからだ。

Thursday 8 May 2008

Basil

バジルがやってきた。前からハーブを育てようと決めていた。

Kalafは心ばかりの庭のある家に育った。その庭では幾種類かのハーブや野菜、くだものが面倒を見られていた。そしてそれらは季節ごとに食卓を静かに、嬉しく飾った。

時折り、頼まれて"収穫"をしたことがあった。静かな幸せを感じながら地面に膝を近づけ、緑の葉や小さな果実を摘んだ。

このバジルには同じ期待が込められている。よろしくね。

Wednesday 7 May 2008

ゆとり世代

5/2の日経新聞朝刊にあった"ゆとり世代がやってきた"という記事を読み、日本を心配に思った。

記事によると、今春の新入社員の多くが小学校入学時から週五日制であった"ゆとり世代"で、そのうちの四割超が「指示がないと仕事がにしくい」、「競争が嫌い」と自己を評価しているという。また、みずほコーポレート銀行はこれまで二週間ほどだった新人研修を半年に延ばし、静岡銀行は父母向けに説明会を開いたそうだ。記事は、「本気で育てるつもりがありますか」と結んでいる。

今日、メディアはさかんに国際競争の厳しさと日本の競争力の低下を伝える。

ゆとり世代、団塊世代の退職、売り手市場、特徴的な要素は幾つもあるが、これらはあくまでも日本の"内部事情"であり、みずほコーポレート銀行や静岡銀行のような現象あるいはゆとり世代の自己評価とグローバリゼーションとのギャップを理解するのは難しい。

日本とグローバリゼーションを考えると、必ず"日本は島国から脱却できないのか"という問いにいきつく。移民に囲まれたマイアミにいると、なおさらこの問いを重く感じる。

Kalafのまわりにはラティーノのゆとりは溢れていても、日本の"ゆとり世代"は見当たらない。本国の友人たち、彼らはやはりどこか違うのだろうか。

Tuesday 6 May 2008

Kyung Ju Restaurant

オフィスからI95を北に約20分、"栄養をつけに"と韓国料理へランチに行く。本国のオフィスの近くには韓国料理屋(※)が幾つかあったが、それ以来だ。

懐かしささえ感じた食べ慣れた"うまさ"。今日はチゲ鍋だけだったので、次回はKorean BBQだ。

-総合: 4/7; たまに行きたくなるであろう料理屋。ただし、やや遠い。
-味: 4/7; 期待どおりにうまい。
-単価: $15~20(ランチ)
-アドレス: 400 NE 167th St, Miami, FL

※面白いことに、"レストラン"という表現はぴんとこない。

Sunday 4 May 2008

Haircut

その美容院は、I95を北上しFlorida's Turnpikeを西へ進んだMiramarというエリアにある。ようやくたどり着いた日本人のヘア・ドレッサーだ。Kalaf好みのさっぱりと、かつ遊び心のある仕上がり。良かった。マイアミでのMy Placesがまた一つ増えた。

渡米以来、今回が二回目の美容院なのだが、前回は、「一度は現地の美容院を試してみよう」とCoconut Groveというお洒落な、日本でいうと青山のような(?)界隈にあるサロンを訪れた。ここは幾つかのベスト・サーチ・サイトで格段のレビューを獲得しているサロンだった。

多少期待をした。そしてそれ以上に予想したとおり、期待外れに終わった。若かりし頃の石原裕次郎というかミリタリー・カットというか、とにかくトップ・サロンを試した上で、現地の美容院に行かない心を固めた。これはこれで"なるほど"な経験であり、調査結果として納得している。

今回のカットの最中、前回の話をした。根本的には、髪質、カットの技術、センスが違うそうだ。まずラティーノを含む欧米人は髪が柔らかくカールしているが、日本人は硬めで直毛である。つまり、日本人の髪質のほうがごまかしが利きにくく難しいようだ。次に、こちらは"きれいにする"理髪に対し日本は"素敵にする"美容と基本姿勢が異なるため、必然的にカットの技術やはさみの使い方が変わってくるらしい。確かに前回は"整えた"という仕上がりだった。街中でも"自然派"に近い髪型の女性が多いように思う。これらは美容文化の違いなのだろう。

さて、彼のマイアミ生活はかれこれ8年とのことだ。日本人のみならず現地のお客さんも多いらしい。髪を切る、パーマをかける、これだけをprofessionとして日本人がマイアミで生計を立てる。「海外に10年以上いる人はそれだけで偉い」と村上龍がどこかで書いていたが、この言葉を思い出した。8年の間に現地で認められる。これは簡単なことではない。

Saturday 3 May 2008

Laurenzo's Italian Market

"shabby"は言い過ぎだが、外からの様子も入った時の雰囲気も実はそう感じた。どうやらfancyなオーガニック・ストアのような印象をKalafは勝手に抱いていたようだ。

North Beach地区にあるLaurenzo's Italian Marketは素晴らしいイタリアン食材のお店だ。"happened to find"という表現のとおり期せず見つけ、早速足を運んだ。

何が素晴らしいかというとイタリアからの食材が本当に豊富に並んでいる。ワイン、オリーブ・オイル、バルサミコ、パスタ、ソース、調味料、缶詰類・・・、とにかく種類が多い。当たり前だが、近所のPublixとは品揃えが大違いだ(もちろんイタリアン食材の比較)。そして、さらにこのお店が素晴らしいのはシーフードと肉類、明らかに新鮮。マイアミでこれだけ新鮮なシーフードと肉類は見たことがない。またハムやサラミ、チーズもところ狭しとガラスケースの中に並んでいる。ホームメイドの生パスタもあり、近いうちにこれも試してみよう。

客人はこうもてなさそう。ワインに前菜の生ハムとチーズ。続いて生パスタ。メインはシーフードのグリルとステーキ。これを夕暮れ時のビーチ、椰子の木の下で。

Kalafの住むBrickellからは車で30分ほどだが、その価値は十分にある。

なお、店内にあるデリは特別におすすめはしない。

Thursday 1 May 2008

May DayとCorporate Run

今日5月1日はMay Day。中南米でも祝日の国が多く、幾つものオフィスから祝日の案内がきていた。この日、Kalafの住むマイアミでは、Corporate Runが開催された。

このCorporate Runは、主に企業(corporate)単位で参加をすることからそう名づけられたようで、今年は400社弱、20,000人以上のランナーが参加した。社内のbondを高めることを目的として始まったのであろう。確かに、走り終わった後、不思議な連帯感を覚えた。思えばMay Dayは各国で労働者が自身の権利のために集いデモをする、あるいはしてきた日だ。なるほど納得いく。

さて肝心のKalaf's Runだが、5キロを30分弱。悪くない。意外と走れた、が感想。

マイアミは街中を走る人をよく見かける。本当に多い。今日は彼らの気持ちが少し分かった。もちろん苦しいことは苦しいのだが、気分が良いのだ。体を動かしているという気持ち良さに加え、街の景色が違って見えるように思えた。普段見慣れた光景の間をぬって走り去っていくとでも言うのだろうか。爽快。しかもこれだけの人数で走ると、これがまた面白いことにテンポの一体感がある。未体験は発見が多い。

ところで、冒頭に「中南米でも祝日の国が多く」と書いた。大いに笑った。アメリカは祝日ではなかったらしい。KalafはCorporate Runが始まるまで部屋にいた気がする・・・。来年は勘違いのしようがない。