(続き)
軽率だった。
ガイドブックに書かれている危険説明の通りに丘の上に連れて行かれ、車が止まる。向こうは若い男が二人だ。海外でここまで直接的な危険に陥ったのは初めてだ。当然、自分が悪い。冒険だ、経験だ・・・、そういう話でも全くない。真面目に後悔する。
短距離走で金メダルを独占したジャマイカ人が相手な上、Kalafはビーチ・サンダルだ。しかも逃走を試みれば逆撫でする。血の気が引くのを感じながら、"そこまでひどくない暴行"を覚悟のラインとする。平静を装い、相手の気を立たせないように話す。(そう言えば、どこかで同じようなことを考えたな・・・。
Naplesに行く時だ・・・!)
その時のKalafは、$10程度の現金以外には携帯電話しか持っていなかった。これが幸いした。彼らがこなれていなかったこともKalafを助けた。
ラッキー其の一: 財布とパスポートは部屋に置いてあった。海外で出歩く時の基本(偉そうに!)。
ラッキー其の二: 彼らは携帯電話を渡せとは言わなかった。(実は渡しても良いように、車が丘に向かって進路を変えた時にSIMカード(これがないと電話がかけられない)とメモリー・カードは抜いておいた。偉くない!)
ラッキー其の三: 彼らは、まずは$10でその場は良しとした。一旦ホテルに戻った後、あと$50を持ってくるように言う。もちろんKalafは"分かった"と伝える。
ようやく車が動き出す。油断はできないものの、最後の交差点を過ぎホテルに向かっていることを確認する。ここで事件はほぼ終わった。
ホテルは外部者・車両が入れないようにゲートがあり門番がいる。車が止まる。ゲートを開け敷地内に入ると、ゲートが閉まる。しのいだ・・・!
マネージャーに事情を話し、彼らと話をしてもらう。彼らは随分と憤っていたらしいが、諦めて帰る。マネージャに謝り、そしてお礼を言う。その時はそこまで余裕がなく、さすがに"Respect."とは言わなかった・・・。せっかくチャンスを、少しもったいないことをしたな・・・。
今回のバカンスのハイライトか・・・。今後は、リゾートではリゾートらしく振舞おう。"Respect!"