梅田望夫、『ウェブ時代をゆく』
Kalafはこの著者と波長があう。これは一年ほど前に同じ著者の『ウェブ進化論』を読んだ際にも感じたことだ。"ネットの「あちら側」と「こちら側」"という発想や"グーグルの本質"はKalafにとって極めて刺激的で、この『ウェブ進化論』を読んでブログを書こうと思ったくらいだ。
さて、『ウェブ時代をゆく』。筆者が繰り返し述べる「オプティミズム(楽観主義)」と「志」がしっくりと響く。全体を通して極めてlogicalでかつpracticalである。第四章「ロールモデル思考法」は特に新鮮で参考になった。
こういう世界があるということを知るためだけでも、一読を強くすすめる。新しいパラダイム。(書評はアマゾンに十分過ぎるほど載っている。)
あわせて読んだ『ウィキノミクス』と似た系譜。すごい人は無数にいる。世界は広い。そして自分は何も知らない。
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Tuesday, 23 December 2008
WIKINOMICS
ドン・タプスコット / アンソニー・D・ウィリアムズ、『ウィキノミクス』 (2007年6月)
Web2.0、マスコラボレーション・・・。この本の主旨は以下の抜粋やアマゾンの書評から想像できると思う。よく知られている例はLinuxやWikipedia、Facebook。本書ではこれら以外にもアマゾンやイーベイ、レゴやP&G等、事例が豊富。
こういう発想は好き。仕組みや組織を考える際の参考になる。実際の応用もそうだが、「マインド」としてより価値のあるものだと感じる。「専門性」が基礎にあることが前提になっていることを認識。
- "組織というものは、昔から、階層型の指揮命令系統だった。(略)従来の階層構造と支配による生産モデルに代わる新しいパワフルなモデル、コミュニティとコラボレーション(協働)、自発的秩序形成によるモデルが生まれつつある"(p.5)
- "新しいウェブとは動詞で表すもので、名詞じゃ表せない"(p.75)
- "我々一人ひとりが権限をもてば、さまざまな分野の人間が集まったチームという形でコラボレーションを行い、いままでよりも良い結果がだせるのではないか"(p.87)
- "従来の企業よりも自発的参加によるピアリングのほうが適材適所を実現しやすい"(p.110)
- "もちろん、社内に人材は必要である。しかし今後は、最高の人材は社外にいると考えなければならないことが増える"(p.162)
- "pro-sumer"、"pro-sumption"
- "ウィキノミクスの四大原則-オープン性、ピアリング、共有、グローバル"(p341)
- "ピアプロダクションにより、従来は不可能であったほどのスケールで社外の知識や資源、人材を活用できる(略)アプローチさえ間違わなければ利用できる豊富な人材が社外にいる。このようなモデルを採用した企業は、業界に大きな変革を引き起こし、競争のルールさえも書き換えしまう可能性をもつ"(p.429)
- ウィキノミクスの設計原則-リードユーザーからヒントを得ること、クリティカルマスを達成すること、コラボレーションのインフラストラクチャーを提供すること、十分な時間をかけて適切な構造と統制を実現すること、参加者全員が価値を得られるようにすること、コミュニティの規範に従うこと、プロセスが進化するに任せること、コラボレーションの精神を研ぎすますこと(p456)
本書で挙げられている事例のうちKalafが特に興味をひかれたもの。
TakingITGlobal
yet2.com
INNOCENTIVE
Web2.0、マスコラボレーション・・・。この本の主旨は以下の抜粋やアマゾンの書評から想像できると思う。よく知られている例はLinuxやWikipedia、Facebook。本書ではこれら以外にもアマゾンやイーベイ、レゴやP&G等、事例が豊富。
こういう発想は好き。仕組みや組織を考える際の参考になる。実際の応用もそうだが、「マインド」としてより価値のあるものだと感じる。「専門性」が基礎にあることが前提になっていることを認識。
- "組織というものは、昔から、階層型の指揮命令系統だった。(略)従来の階層構造と支配による生産モデルに代わる新しいパワフルなモデル、コミュニティとコラボレーション(協働)、自発的秩序形成によるモデルが生まれつつある"(p.5)
- "新しいウェブとは動詞で表すもので、名詞じゃ表せない"(p.75)
- "我々一人ひとりが権限をもてば、さまざまな分野の人間が集まったチームという形でコラボレーションを行い、いままでよりも良い結果がだせるのではないか"(p.87)
- "従来の企業よりも自発的参加によるピアリングのほうが適材適所を実現しやすい"(p.110)
- "もちろん、社内に人材は必要である。しかし今後は、最高の人材は社外にいると考えなければならないことが増える"(p.162)
- "pro-sumer"、"pro-sumption"
- "ウィキノミクスの四大原則-オープン性、ピアリング、共有、グローバル"(p341)
- "ピアプロダクションにより、従来は不可能であったほどのスケールで社外の知識や資源、人材を活用できる(略)アプローチさえ間違わなければ利用できる豊富な人材が社外にいる。このようなモデルを採用した企業は、業界に大きな変革を引き起こし、競争のルールさえも書き換えしまう可能性をもつ"(p.429)
- ウィキノミクスの設計原則-リードユーザーからヒントを得ること、クリティカルマスを達成すること、コラボレーションのインフラストラクチャーを提供すること、十分な時間をかけて適切な構造と統制を実現すること、参加者全員が価値を得られるようにすること、コミュニティの規範に従うこと、プロセスが進化するに任せること、コラボレーションの精神を研ぎすますこと(p456)
本書で挙げられている事例のうちKalafが特に興味をひかれたもの。
TakingITGlobal
yet2.com
INNOCENTIVE
Saturday, 20 December 2008
ウェルテルとモルダウ
ゲーテ、『若きウェルテルの悩み』
読み終えたらスメタナの"モルダウ"が聴きたくなった。今聴きながらこれを書いている。
モルダウは激情的な曲だ。ロマンティックでもある。ゲーテの"若きウェルテルの悩み"もまさにそうだ。
この話は三部からなる。第一部はロッテへの愛情が、第二部はロッテから離れて暮らす苦悩がウェルテルの書簡によって描かれる。第三部はウェルテルの書簡も織り交ぜながら、"編者より読者へ(第三部のタイトル)"物語のクライマックスが解説風に書かれる。
小説と想像力と記憶。挿入絵のロッテとウェルテルが、例えばKalafがこれまで見た絵画や映画の風景やシーン、ヨーロッパの街並みの中で再現される。本当にそういう数時間を過ごした。豊かな小説。
物語の最後はどうなのだろうか。モルダウのように長調に転調して晴れ晴れしく終わるのだろうか。そうではないとも言えるし、そうとも言える。
読み終えたらスメタナの"モルダウ"が聴きたくなった。今聴きながらこれを書いている。
モルダウは激情的な曲だ。ロマンティックでもある。ゲーテの"若きウェルテルの悩み"もまさにそうだ。
この話は三部からなる。第一部はロッテへの愛情が、第二部はロッテから離れて暮らす苦悩がウェルテルの書簡によって描かれる。第三部はウェルテルの書簡も織り交ぜながら、"編者より読者へ(第三部のタイトル)"物語のクライマックスが解説風に書かれる。
小説と想像力と記憶。挿入絵のロッテとウェルテルが、例えばKalafがこれまで見た絵画や映画の風景やシーン、ヨーロッパの街並みの中で再現される。本当にそういう数時間を過ごした。豊かな小説。
物語の最後はどうなのだろうか。モルダウのように長調に転調して晴れ晴れしく終わるのだろうか。そうではないとも言えるし、そうとも言える。
Saturday, 13 December 2008
コペル君と叔父さん
吉野源三郎、『君たちはどう生きるか』
これは実に素晴らしい本だ。"大人"の誰もが"子供"の頃に感じたことや通ったことが、そしてそれらから学んだことやあるいは学びそびれたことが、"コペル君"と"叔父さん"の会話を通じて書かれる。
かつてのKalaf、親、弟、いとこ、伯父伯母、友人、先生、家、近所、学校、景色、言葉・・・。幾つも幾人も沢山思い出された。
小学生の中学年くらいの時に読んでみたかったと思った。特に子供がいる友人に薦めたい一冊。
これは実に素晴らしい本だ。"大人"の誰もが"子供"の頃に感じたことや通ったことが、そしてそれらから学んだことやあるいは学びそびれたことが、"コペル君"と"叔父さん"の会話を通じて書かれる。
かつてのKalaf、親、弟、いとこ、伯父伯母、友人、先生、家、近所、学校、景色、言葉・・・。幾つも幾人も沢山思い出された。
小学生の中学年くらいの時に読んでみたかったと思った。特に子供がいる友人に薦めたい一冊。
Thursday, 28 August 2008
丸谷"才"一
丸谷才一、『男もの女もの』
"セーターやハンカチの女ものは男ものより小ぶりである。しかし女向けのミステリは恋がはいる分だけ長くなるといふ。なるほど、物によつていろいろ違ふんだなと感心する。
ところでわたしの随筆は明らかに男向けだが、これが以外に女の読者が多いと聞いて、ちよつと嬉しくなった。男もののセーターをすつきりと着こなすやうなもの、と見立ててはどうだらうか。"
冒頭にこう書かれている(丸谷才一は文語仮名遣いで書く)。何と素敵な文章を書くのだろう。
丸谷才一の本は何冊か読んだ。Kalafが好きな理由ははっきりしている。極めて文章がきれいであり、かつしっかりしていること。もう一つは発想が奔放に豊かで、しかも教養に溢れていること。
気ままで、軽妙で品がよく、ユーモアと遊びがあり、そして何より美しい。本当の教養・文化人に違いない。
こういう文章を書きたいと思う。
ところでわたしの随筆は明らかに男向けだが、これが以外に女の読者が多いと聞いて、ちよつと嬉しくなった。男もののセーターをすつきりと着こなすやうなもの、と見立ててはどうだらうか。"
冒頭にこう書かれている(丸谷才一は文語仮名遣いで書く)。何と素敵な文章を書くのだろう。
丸谷才一の本は何冊か読んだ。Kalafが好きな理由ははっきりしている。極めて文章がきれいであり、かつしっかりしていること。もう一つは発想が奔放に豊かで、しかも教養に溢れていること。
気ままで、軽妙で品がよく、ユーモアと遊びがあり、そして何より美しい。本当の教養・文化人に違いない。
こういう文章を書きたいと思う。
Monday, 25 August 2008
砂と石と泥
松本健一、『砂の文明・石の文明・泥の文明』
文明を三つに、すなわちイスラムの"砂"、欧米の"石"、アジアの"泥"に分類し、それぞれの説明を試みた文明論。砂を"ネットワークする力"、石を"外に進出する力"、泥を"内に蓄積する力"と説く。文明論としては特に真新しいことが書かれているわけではないが、"文化"・歴史的な記述は示唆に富み、世界の"極"の思考プロセスへのヒントが得られる。
欧米の"プロダクト・イノベーション(富の生産手段)"、アジア特に日本の"プロセス・イノベーション(富の生産工程)"という表現はしっくりくる。日本はこの"後追いの美"を前向きに発想できれば気が楽なのにと思う。
やや懐古的あるいは愛国的な思想が散見されることは否めない。
文明を三つに、すなわちイスラムの"砂"、欧米の"石"、アジアの"泥"に分類し、それぞれの説明を試みた文明論。砂を"ネットワークする力"、石を"外に進出する力"、泥を"内に蓄積する力"と説く。文明論としては特に真新しいことが書かれているわけではないが、"文化"・歴史的な記述は示唆に富み、世界の"極"の思考プロセスへのヒントが得られる。
欧米の"プロダクト・イノベーション(富の生産手段)"、アジア特に日本の"プロセス・イノベーション(富の生産工程)"という表現はしっくりくる。日本はこの"後追いの美"を前向きに発想できれば気が楽なのにと思う。
やや懐古的あるいは愛国的な思想が散見されることは否めない。
Thursday, 21 August 2008
永井荷風@外遊
文豪が、当時西欧とどう接し、それをどう表現するのかという興味で読んだ2冊(あめりか物語、ふらんす物語)は、永井荷風が20代後半をアメリカ(4年)とフランス(1年)で過ごした時の観察小説(短編集)。日本への帰国は今から丁度100年前の1908年。
冗長で、正直、無理して読み切った。いつだか夏目漱石を集中して読んだ歳にも似た感想を抱き、友に"純文学だから"とあっさり言われたことがある。彼はその時、"河童が息継ぎをしないで泳ぐ"と表現した。これは言い得て妙。
さて、荷風は放蕩者の風来坊だったらしく、退廃というか耽溺というか、今日にしてみれば浮世の風だ。荷風の外遊から20年程遡るが、"ふらんす物語"はまさにロートレックの世界。Kalafの記憶にあるパリの街角が自然に想像され、ロートレックの狂騒と交じり合う。
"あめりか物語"に見られる当時の文明の差は、今日で言えば国力の差として知覚できるような気がする。100年経っても、差はあるということか・・・。
嗚呼、京都の友は何と言うだろう。
※)写真はワシントンDCのNational Galleryにて撮ったもの。Kalafはロートレック好き。
Tuesday, 19 August 2008
養老孟司
いわゆる世間で囃し立てられている本を読むことは少ない。養老孟司の『バカの壁』もその顕著な例であったが、読んだ。数百万部も売れた背景を知りたかったことと、あだ名が"クマ"という仲良しの"おっさん"(※)が理系本として読めば悪くないとすすめたからだ。
随分前に読んだのでよく覚えていないのだが、売れた理由は"売れたから"以外には分からなかったと記憶している。"在るものは在るもの、気張らずに"と"少しは考えて生きろ"がメッセージで、このメッセージを諸々の事象を生理的な"脳"の観点から考察する本とKalafは自分に押し込んだ。
確かに"クマ"の言った通り、理系本としての側面は面白かったと記憶している。この手の理系的な側面は頭に立体のイメージを起こさせることがよくあり、これが好きだ。
あわせて『無思想の発見』も読んだ。タイトルの通り、"日本には無思想という思想がある"というメッセージ。この本は面白かった。すっと入った箇所を抜粋する。
※)ブラジルのアメリカン・スクール育ち。高校時に帰国、その後日本で海洋・水産を専攻。サッカーを狂おしく愛し、ツキノワグマの保護に奔走する。Kalafの元上司。クマはKalafを"トンボ"と呼ぶ。
随分前に読んだのでよく覚えていないのだが、売れた理由は"売れたから"以外には分からなかったと記憶している。"在るものは在るもの、気張らずに"と"少しは考えて生きろ"がメッセージで、このメッセージを諸々の事象を生理的な"脳"の観点から考察する本とKalafは自分に押し込んだ。
確かに"クマ"の言った通り、理系本としての側面は面白かったと記憶している。この手の理系的な側面は頭に立体のイメージを起こさせることがよくあり、これが好きだ。
あわせて『無思想の発見』も読んだ。タイトルの通り、"日本には無思想という思想がある"というメッセージ。この本は面白かった。すっと入った箇所を抜粋する。
- 異なる社会では、世間と思想の役割の大きさもそれぞれ異なる。世間が大きく、思想が小さいのが日本である。逆に偉大な思想が生まれる社会は、日本に比べて、よくいえば「世間の役割が小さい」、悪くいえば「世間の出来が悪い」のである。(p.71)
- 「ひとりでにそうなった」というのが、つまり日本の思想なのである。(p.83)
- 「日本に思想はない」、あるいはむしろ「世間に思想はない」という立派な思想が、その世間にすでに存在するからである。(p.93)
- 日本の世間が「俺には思想なんかない」で、ここまでやってこられたについては、もちろん世間という「実情」があったからである。いわゆる「現実」が存在したのである。(途中略)「思想というものがない」社会で「世間という現実」が危うくなれば、すべては崩壊に近づくしかない。(p.102-103)
- 「思想なんてものはない」。これは思想におけるゼロに発見である。(p.114)
- 日本の思想を考えるなら、「書かれない思想」について書くしかない。(p.142)
※)ブラジルのアメリカン・スクール育ち。高校時に帰国、その後日本で海洋・水産を専攻。サッカーを狂おしく愛し、ツキノワグマの保護に奔走する。Kalafの元上司。クマはKalafを"トンボ"と呼ぶ。
身震いの"破裂"
少し前に久坂部羊の『破裂』を読んだ。マイアミで出会った眼科医にすすめられた本だ。彼は日本の国立大学の医学博士でもある。Kalafにとって惹き込む"刺激"のある人であった。だから読んだと言うのもある。おそらくKalafの数歳上だろう。
少子高齢化による医療財政の破綻、地域医療、介護、医療ミスと訴訟、マスコミ、白い巨塔(大学病院)、厚労省・・・。 彼曰く、この本に書かれていることは、ほぼ"現実の話"とのこと。
この本を読みながらKalafが考えざるをえなかったこと。日本の社会構造、親の介護、自分が老いた時。自分(達)がどういう問題に直面していて、社会はどうなりえるのか、を認識するだけでも読む価値はある。小説のスリルと、現実の身震いをどうぞ。
少子高齢化による医療財政の破綻、地域医療、介護、医療ミスと訴訟、マスコミ、白い巨塔(大学病院)、厚労省・・・。 彼曰く、この本に書かれていることは、ほぼ"現実の話"とのこと。
この本を読みながらKalafが考えざるをえなかったこと。日本の社会構造、親の介護、自分が老いた時。自分(達)がどういう問題に直面していて、社会はどうなりえるのか、を認識するだけでも読む価値はある。小説のスリルと、現実の身震いをどうぞ。
Monday, 18 August 2008
時が滲む朝
"第三の開国へ 中国人作家の芥川受賞がこじ開ける日本語世界"という面白いエッセイ(ブログ)を読んだ。エッセイの筋立てはこうだ。
「国際化」されなかった日本語
日本語の外側に別の世界を構築する
政治や権力にナイーブなまま翻弄される若者たち
寄る辺なき浮遊感を抱える主人公と作者
グローバル化によって生まれた新しい流離譚
最近Kalafのアドレナリンがopennessに向いていることもあり、極めてタイムリー。北京五輪や日本の社会事情と言った"時節"に乗っただけと書かれようが、とにかく"今"読む価値を感じさせる。
来月、広島の友人にワシントンDCまで持ってきてもらおう。
「国際化」されなかった日本語
日本語の外側に別の世界を構築する
政治や権力にナイーブなまま翻弄される若者たち
寄る辺なき浮遊感を抱える主人公と作者
グローバル化によって生まれた新しい流離譚
最近Kalafのアドレナリンがopennessに向いていることもあり、極めてタイムリー。北京五輪や日本の社会事情と言った"時節"に乗っただけと書かれようが、とにかく"今"読む価値を感じさせる。
来月、広島の友人にワシントンDCまで持ってきてもらおう。
Tuesday, 15 April 2008
中南米でのインテリジェンス活動
マイアミからテキサスを経由し、メキシコに入った。その機内で読んだ、手嶋龍一と佐藤優の対談、『インテリジェンス 武器なき戦争』がKalafの中南米での仕事を発想する上でヒントをくれた。
この本は、"インテリジェンスとは何か"、"日本のインテリジェンスについて"の二つが大きなテーマだ。知的に好奇心をそそり、ただ感覚的には"裏"の世界だけに凄味を覚える本である。鈴木宗男事件の"国策捜査"性について書かれた佐藤優の『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』とあわせて読むと一層おもしろい。なお、Kalafは筆者のインテリジェンスの定義を「情報の背後をいかに理解し(点を線にする)、それを国益に結びつけるか(線を面にする)」ととらえた。
さて、ヒントはと言えば、Kalafの仕事もインテリジェンス活動の側面を帯びていると認識したことだ。今回の出張も鉱脈を掘り当てるための地質調査の側面が強く、良質の鉱脈のためには各拠点(この一週間で三箇所を回る)に"案内人"が必要だ。彼らとは、筆者の言う"インテリジェンス・オフィサー"関係を今後築く必要がある。
また、Kalafのマイアミでのポジションをconsiderすると、別のインテリジェンス活動が見えてくる。すなわち、①グローバルのオペレーション・スキームを担う本社サプライ・チェーン、②その傘の中でアメリカ(北、中、南)のオペレーションを管轄するアメリカ・サプライ・チェーン、③中南米のセールス拠点のマイアミ。この地図に、Kalafの出身は①、所属は②、現在のベースは③という背景および中南米のパートナー(部品、工場、物流)を加える。そして、Kalafはオペレーションの改善や構築には関与するもののexecutionそのものはしないという任務特性。案内人との関係が線だとすると、これは面の"インテリジェンス"ととらえられる。
Kalafの仕事をインテリジェンスとして位置付けることを可能にした本であった(英文和訳のような文体だ)。
興味深い引用:
"秘密情報の98%は公開情報を再整理することによって得られるという"(p4、佐藤)
"インテリジェンス能力は当該国家の国力から大きく乖離しない"(p5、佐藤)
"インテリジェンスや情報力は、自分の弱いところをできるだけ隠して、強いところを実力以上に強く見せる技法"(p85、佐藤)
"自分しか知らないような真実を掴むというのは、本当に面白い"(p225、佐藤)
この本は、"インテリジェンスとは何か"、"日本のインテリジェンスについて"の二つが大きなテーマだ。知的に好奇心をそそり、ただ感覚的には"裏"の世界だけに凄味を覚える本である。鈴木宗男事件の"国策捜査"性について書かれた佐藤優の『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』とあわせて読むと一層おもしろい。なお、Kalafは筆者のインテリジェンスの定義を「情報の背後をいかに理解し(点を線にする)、それを国益に結びつけるか(線を面にする)」ととらえた。
さて、ヒントはと言えば、Kalafの仕事もインテリジェンス活動の側面を帯びていると認識したことだ。今回の出張も鉱脈を掘り当てるための地質調査の側面が強く、良質の鉱脈のためには各拠点(この一週間で三箇所を回る)に"案内人"が必要だ。彼らとは、筆者の言う"インテリジェンス・オフィサー"関係を今後築く必要がある。
また、Kalafのマイアミでのポジションをconsiderすると、別のインテリジェンス活動が見えてくる。すなわち、①グローバルのオペレーション・スキームを担う本社サプライ・チェーン、②その傘の中でアメリカ(北、中、南)のオペレーションを管轄するアメリカ・サプライ・チェーン、③中南米のセールス拠点のマイアミ。この地図に、Kalafの出身は①、所属は②、現在のベースは③という背景および中南米のパートナー(部品、工場、物流)を加える。そして、Kalafはオペレーションの改善や構築には関与するもののexecutionそのものはしないという任務特性。案内人との関係が線だとすると、これは面の"インテリジェンス"ととらえられる。
Kalafの仕事をインテリジェンスとして位置付けることを可能にした本であった(英文和訳のような文体だ)。
興味深い引用:
"秘密情報の98%は公開情報を再整理することによって得られるという"(p4、佐藤)
"インテリジェンス能力は当該国家の国力から大きく乖離しない"(p5、佐藤)
"インテリジェンスや情報力は、自分の弱いところをできるだけ隠して、強いところを実力以上に強く見せる技法"(p85、佐藤)
"自分しか知らないような真実を掴むというのは、本当に面白い"(p225、佐藤)
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