Tuesday 23 December 2008

WIKINOMICS

ドン・タプスコット / アンソニー・D・ウィリアムズ、『ウィキノミクス』 (2007年6月)

Web2.0、マスコラボレーション・・・。この本の主旨は以下の抜粋やアマゾンの書評から想像できると思う。よく知られている例はLinuxやWikipedia、Facebook。本書ではこれら以外にもアマゾンやイーベイ、レゴやP&G等、事例が豊富。

こういう発想は好き。仕組みや組織を考える際の参考になる。実際の応用もそうだが、「マインド」としてより価値のあるものだと感じる。「専門性」が基礎にあることが前提になっていることを認識。

- "組織というものは、昔から、階層型の指揮命令系統だった。(略)従来の階層構造と支配による生産モデルに代わる新しいパワフルなモデル、コミュニティとコラボレーション(協働)、自発的秩序形成によるモデルが生まれつつある"(p.5)
- "新しいウェブとは動詞で表すもので、名詞じゃ表せない"(p.75)
- "我々一人ひとりが権限をもてば、さまざまな分野の人間が集まったチームという形でコラボレーションを行い、いままでよりも良い結果がだせるのではないか"(p.87)
- "従来の企業よりも自発的参加によるピアリングのほうが適材適所を実現しやすい"(p.110)
- "もちろん、社内に人材は必要である。しかし今後は、最高の人材は社外にいると考えなければならないことが増える"(p.162)
- "pro-sumer"、"pro-sumption"
- "ウィキノミクスの四大原則-オープン性、ピアリング、共有、グローバル"(p341)
- "ピアプロダクションにより、従来は不可能であったほどのスケールで社外の知識や資源、人材を活用できる(略)アプローチさえ間違わなければ利用できる豊富な人材が社外にいる。このようなモデルを採用した企業は、業界に大きな変革を引き起こし、競争のルールさえも書き換えしまう可能性をもつ"(p.429)
- ウィキノミクスの設計原則-リードユーザーからヒントを得ること、クリティカルマスを達成すること、コラボレーションのインフラストラクチャーを提供すること、十分な時間をかけて適切な構造と統制を実現すること、参加者全員が価値を得られるようにすること、コミュニティの規範に従うこと、プロセスが進化するに任せること、コラボレーションの精神を研ぎすますこと(p456)

本書で挙げられている事例のうちKalafが特に興味をひかれたもの。
  TakingITGlobal
  yet2.com
  INNOCENTIVE

No comments: