Thursday 18 December 2008

2008年 世界の出来事

ゆく年くる年シリーズ其の二、"世界の出来事"編。

2009年以降を見る上で、Kalafが重要だと思った2008年の五大出来事。これらを考えてみると、よく言われる「アメリカの衰退」が共通項として浮かび上がる。Kalafは「アメリカが手に負えなくなりつつある世界」ととらえている。

- 金融危機/世界不況
- 中国のオリンピック開催
- アメリカのオバマ大統領選出
- インドのテロ
- ロシアのグルジア侵攻

まず、1929年以来と言われる世界不況。金融危機に端を発したこの不況が歴史的に意味を持つようなことがあれば、それはアメリカがその覇権の衰退を食い止められなかった時にこそだろう。1929年の恐慌を第二次世界大戦との関係において考えることと同じ。

次に、中国の夏季五輪開催。実は金融危機が顕在化する前は、この出来事を今年最重要と考えていた。大統領選挙を含めてもそう思っていた。アジアでのオリンピック開催は約20年ごと。この間隔と、日韓中がeconomically developed countriesとして勃興してきた事実は相関している。中国が日韓と明らかに異なるのは、その広大な国土と人口、思想と意志に裏打ちされた政治・経済・軍事のスケールだ。これから何十年後かの中国が2008年を引き合いに語られることは少なくないだろう。

三つ目はオバマの大統領選出。これは彼の人種や選挙キャンペーンという観点ではなく、オバマ政権がアメリカの覇権をどれだけ維持できるか、あるいは衰退をどれだけ遅らせられるかという文脈。

四つ目は11月末に起きたインドでのテロ。9/11以来、ある意味日常的となったテロ。今回のテロは、パキスタンとアフガニスタンのラインが不透明さを増していること、そしてアメリカの政権交代時によくあるチャレンジととらえられる。

最後に、ロシア。グルジアとの一件では、冷戦以来(あるいはヨーロッパ近代史以来)のロシアのテリトリーへの意志が再確認された。NATO(とEU)への加盟(申請)国が中央・東ヨーロッパ圏にも及び、欧米とロシアがバランスを失う点に達するまであと二~四つの国か。今は資源価格が落ち着いているが、これが上昇を始めればロシアの姿勢がまた露骨になることもあるのではないか。

これらの出来事は、「アメリカの覇権/衰退」から派生して考えたわけではなく、出来事を追うと「アメリカの覇権/衰退」という文脈で整理できるのではないかというもの。Kalafは2009年もアメリカにいる。

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