一つ前のエントリーの最後に「産業の力点」と「国家安全保障」の関係性について触れた。そんな折、戦場でロボットがいかに"動員"されているかという映像を見、その思いを強くした。日本とは技術や産業の必要性や戦略が明らかに違うように感じる。
なお、この講演自体も示唆に富むものだ。スピーカーの訴えたいことは以下の話に集約されている。
"Robots are emotionless."
"数年前にハリウッドのキャラクターの中から100人の"heros"と100人の"villains(悪役)"を選んだ際、"best and worst humanities"として両方のリストに入ったキャラクターが一人だけいた。"a robot killing machine"であるターミネーターだ。このことはロボットの両義性("both good and evil")を表しているのみならず、私には人間の両義性("duality")そのもののように思える。"
Friday, 3 April 2009
High tech, low tech
出典データが(おそらく)有料のため詳細を調べていないのだが、いろいろ面白いことに気が付く。
まず驚いたのは、日本の"high-tech"分野のtrade balanceがマイナスであることだ。(定義に"technological intensity"とあるので、容積あたりの付加価値か何かで"tech"度合いを算出しているものと推察する。)
つまり日本は"high-tech"国ではないのだ。このグラフを見る限り、一般的に日本が強いとされるエレクトロニクスや自動車、工作機器や部品は"mid-tech"に分類されているはずだ。考えてみれば、これらはあくまでも" 汎用品"である。したがって付加価値が"high"ではないのだろう。
一方で、アメリカとイギリスは"high-tech"分野の輸出国なのだ。アメリカはまだしも「イギリスがどうして?」と、これにも最初は驚いたが、特に軍事・航空宇宙と医療分野の貢献が大きいのではないかという推察に至った。確かにこれらの分野では米英の大企業がよくメディアに登場する。アメリカがサーバー等のシステム機器や半導体、manufacturingに含まれるソフトウェアに強いことは言うまでもない(イギリスはこれらの分野はどうなのだろうか?)。また、米英ともに基礎研究を重んじるため、バイオや最先端素材等の貢献も含まれているのではないかと想像する。
お隣の韓国も"high-tech"分野が強い。日本と産業構造が近いと思っていたので不思議に思ったが、半導体やメモリが強いSamsungを考えれば確かにそうだ。
中国は予想の通り。今後"high-tech"と"mid-tech"がプラス方向に動き始めるタイミングがいつになるのか。アメリカを凌駕する時なのだと思う。
ドイツ。日本とほとんど同じ構造である。汎用品メーカーが輸出を牽引する特徴が似ているのだろう。
このグラフを見るだけで、産業の力点がどこに置かれているのかが大よそ把握できる。産業を経済発展という視点だけではなく、どれだけ国家安全保障という観点で見るのか。そんなことを思った。
追伸1)読者の方、コメントをくださると嬉しいです。
追伸2)このグラフの読み方で分からないところがあったので、どなたか教えてください。
1/ どうしてプラスとマイナスがバランスしているのか?
2/ %の母数は何か?
Tuesday, 31 March 2009
Phillips Collection & NHL
Washington DCにあるThe Phillips Collectionは実に洗練された美術館だ。アメリカで初めてのModern Artの美術館らしい。
作品群としての趣味はもちろん、建物とインテリアも気に入った。これが個人のコレクションから始まったのだから驚く。桁外れだ。


母の好きなMatisseとGamalの好きなChagall。


Kalafはこういうインテリアが好きだ。
続いて、遂にNHL(アイスホッケー)を観に行った。野球、バスケットボール、フットボールそしてアイスホッケーがアメリカの四大プロスポーツと言われる。

これまでほとんど馴染みがなかったが、これも面白いスポーツだ。とにかく"往来"が激しく、速く、そしてコンタクトが激しい。噂どおり、乱闘もある。
アメリカで実際にプロスポーツを観てスポーツとお国柄の"ミラー関係"を強く感じるのだが、このアイスホッケーも例にもれない。アメリカを肌で感じたければ、スポーツは良い手段に違いない。
作品群としての趣味はもちろん、建物とインテリアも気に入った。これが個人のコレクションから始まったのだから驚く。桁外れだ。
母の好きなMatisseとGamalの好きなChagall。
Kalafはこういうインテリアが好きだ。
続いて、遂にNHL(アイスホッケー)を観に行った。野球、バスケットボール、フットボールそしてアイスホッケーがアメリカの四大プロスポーツと言われる。
アメリカで実際にプロスポーツを観てスポーツとお国柄の"ミラー関係"を強く感じるのだが、このアイスホッケーも例にもれない。アメリカを肌で感じたければ、スポーツは良い手段に違いない。
Tuesday, 24 March 2009
5-3!!!
素晴らしい試合だった。本当に素晴らしかった。
投手と守備が興奮させた試合。最後まで切れなかった力と緊張の拮抗は自分が運動したかのような疲労感さえ残した。今夜の試合は長く覚えていると思う。Congratulations JAPAN!
ここまで書いて、9回裏(確か2アウト)にダルビッシュが追いつかれる・・・。
10回表のめぐり合わせ。スーパー・スターとはこういうものなのか。イチロー、8球目を会心のセンター前で5-3。どういう精神力なのだろうか。常人ではない。信じられない。深夜一時過ぎにも関わらず絶叫。
最後はダルビッシュ。10回裏は落ち着いていた。彼は22歳だ。
勝負を分けるのは「個」の力。その力を持ち、発揮するのが「プロ」。JAPANはbig namesだけではなく、一人ひとりがプロの「仕事」をした。
ライブで観られて幸せ者だ。気合と精神力を与えられた。素晴らしい試合だった。本当に素晴らしかった。今夜の試合は長く覚えていると思う。Congratulations JAPAN!
(それにしても韓国の応援はものすごい。仲良くいたいものです。)
投手と守備が興奮させた試合。最後まで切れなかった力と緊張の拮抗は自分が運動したかのような疲労感さえ残した。今夜の試合は長く覚えていると思う。Congratulations JAPAN!
ここまで書いて、9回裏(確か2アウト)にダルビッシュが追いつかれる・・・。
10回表のめぐり合わせ。スーパー・スターとはこういうものなのか。イチロー、8球目を会心のセンター前で5-3。どういう精神力なのだろうか。常人ではない。信じられない。深夜一時過ぎにも関わらず絶叫。
最後はダルビッシュ。10回裏は落ち着いていた。彼は22歳だ。
勝負を分けるのは「個」の力。その力を持ち、発揮するのが「プロ」。JAPANはbig namesだけではなく、一人ひとりがプロの「仕事」をした。
ライブで観られて幸せ者だ。気合と精神力を与えられた。素晴らしい試合だった。本当に素晴らしかった。今夜の試合は長く覚えていると思う。Congratulations JAPAN!
(それにしても韓国の応援はものすごい。仲良くいたいものです。)
Sunday, 22 March 2009
マクドナルドと"侍"ジャパン
World Baseball Classicを観ている。日本が決勝に行きそうだ。イチローは相変わらず調子が悪い。
さて、日本のヘルメットには"マクドナルド"の広告が入っている。国際大会で、アメリカ企業の広告を日本のナショナル・チームが掲げている。資本主義、globalisationと言えばそれまでではあるが、何とも落ち着かない。
日本市場向けの広告と考えれば不思議ではないのかもしれない。日本では、マクドナルドをアメリカ企業と認識している人も実は多くはないのかもしれない(そんなことはないと思うのだが・・・)。マクドナルドの景気が良いこともあろう。あるいは、"日米同盟の象徴"であれば説明がつく(!)。
アメリカ人はどう思うのだろうかと考えてみると、①気が付かない、②"Good Job McDonald's!"、③"Why Japan?"、④何も思わない、と言ったところか。④が一番多いような気がする。例えば、トヨタが逆の立場だったら、Kalafは②だろうと思う。
この大会に参加している韓国や中国は、首を傾げたり、少し冷笑さえするかもしれない。
"興行"とは言え国際大会、もう少し体裁を意識しましょうよ、プチ外交なのだから・・・。
なお、日本のユニフォームには、袖に"Asahi"の広告がもう一つある。
さて、日本のヘルメットには"マクドナルド"の広告が入っている。国際大会で、アメリカ企業の広告を日本のナショナル・チームが掲げている。資本主義、globalisationと言えばそれまでではあるが、何とも落ち着かない。
日本市場向けの広告と考えれば不思議ではないのかもしれない。日本では、マクドナルドをアメリカ企業と認識している人も実は多くはないのかもしれない(そんなことはないと思うのだが・・・)。マクドナルドの景気が良いこともあろう。あるいは、"日米同盟の象徴"であれば説明がつく(!)。
アメリカ人はどう思うのだろうかと考えてみると、①気が付かない、②"Good Job McDonald's!"、③"Why Japan?"、④何も思わない、と言ったところか。④が一番多いような気がする。例えば、トヨタが逆の立場だったら、Kalafは②だろうと思う。
この大会に参加している韓国や中国は、首を傾げたり、少し冷笑さえするかもしれない。
"興行"とは言え国際大会、もう少し体裁を意識しましょうよ、プチ外交なのだから・・・。
なお、日本のユニフォームには、袖に"Asahi"の広告がもう一つある。
Tuesday, 17 March 2009
Sunday, 8 March 2009
帰国 * 2
日本に戻る前のエントリーで「帰国」と書いたが、日本を離れる時も「帰国」なのだと感じたその認識が自分でも不思議だった。成田から日暮里に向かうスカイライナーの中では、自分が日本人である様を「陸に用事があって一寸出かけた魚が、陸の生活に慣れ始めた頃に水中に戻り、また何事もなかったかのように泳ぎ始める」と喩え、一人でにやにやと笑っていた。
そのスカイライナーの中での感覚があまりにも新鮮だったので、ノートを取った。随分と不思議な新鮮さだったのだと思う。
・「日本を離れていた一年がどのくらい長かったのか」を実感したのは、窓の外を過ぎてゆく他愛もない光景に抱く「愛おしさ」に気がついた時。寺院や梅はあまりにもビンゴ、自転車や密集する住宅、ホームで電車を待つ人や煙突にさえその感覚が生じたのだから自分でもおかしい。大袈裟に言えば愛国心、そしてそれは日常への「appreciation」。
・このappreciationが「これが日本」と受け入れる「寛容さ」なのだとすれば、一年の間に新しい価値観が形成されたと言える。これまで何度も海外に行っては日本に帰ってきたのだが、この日本への寛容さは全く新しいものだ。寛容は「余裕」を生む。今の自分には日本を見る時に余裕がある気がする。
・日本を表す言葉の一つは、やはり「秩序」に違いない。二種類の秩序。それは、秩序立った秩序と雑然になり過ぎない秩序。例えば、前者は新幹線の発着であり、後者は駅前にとめられた無数の自転車。
・日本を好きになる外国人は、きっとどこかでこの「秩序」にひかれるのではないか。それは理路整然としたラッシュ時の人の動線から小箱の中にきれいに並べられた和菓子、コンビニの棚から舞妓の化粧、そして挨拶の時の頭の下げ方に至るまで。
・一方で、この秩序は外国人を疎遠にする要素でもあるのだろう。如何せんこの秩序には入り込みにくい。好きになるどころか、馴染めなければ居心地の悪さを増大させるだけのものだ。例えば、人間関係や商習慣にもそれは表れる。
アメリカに発つ前に"American Beauty"と"Nobody Knows(誰も知らない)"を観たのだが、今回の「二つの帰国」は、日米それぞれの映画の特徴をなぞっているかのようでもあった。ハリウッドはアメリカの「文明」の象徴であり、日本の映画は概ねその「文化」を表している。
帰国は毎回新しい。帰国、万歳!
そのスカイライナーの中での感覚があまりにも新鮮だったので、ノートを取った。随分と不思議な新鮮さだったのだと思う。
・「日本を離れていた一年がどのくらい長かったのか」を実感したのは、窓の外を過ぎてゆく他愛もない光景に抱く「愛おしさ」に気がついた時。寺院や梅はあまりにもビンゴ、自転車や密集する住宅、ホームで電車を待つ人や煙突にさえその感覚が生じたのだから自分でもおかしい。大袈裟に言えば愛国心、そしてそれは日常への「appreciation」。
・このappreciationが「これが日本」と受け入れる「寛容さ」なのだとすれば、一年の間に新しい価値観が形成されたと言える。これまで何度も海外に行っては日本に帰ってきたのだが、この日本への寛容さは全く新しいものだ。寛容は「余裕」を生む。今の自分には日本を見る時に余裕がある気がする。
・日本を表す言葉の一つは、やはり「秩序」に違いない。二種類の秩序。それは、秩序立った秩序と雑然になり過ぎない秩序。例えば、前者は新幹線の発着であり、後者は駅前にとめられた無数の自転車。
・日本を好きになる外国人は、きっとどこかでこの「秩序」にひかれるのではないか。それは理路整然としたラッシュ時の人の動線から小箱の中にきれいに並べられた和菓子、コンビニの棚から舞妓の化粧、そして挨拶の時の頭の下げ方に至るまで。
・一方で、この秩序は外国人を疎遠にする要素でもあるのだろう。如何せんこの秩序には入り込みにくい。好きになるどころか、馴染めなければ居心地の悪さを増大させるだけのものだ。例えば、人間関係や商習慣にもそれは表れる。
アメリカに発つ前に"American Beauty"と"Nobody Knows(誰も知らない)"を観たのだが、今回の「二つの帰国」は、日米それぞれの映画の特徴をなぞっているかのようでもあった。ハリウッドはアメリカの「文明」の象徴であり、日本の映画は概ねその「文化」を表している。
帰国は毎回新しい。帰国、万歳!
アメリカへ帰る飛行機から
Saturday, 14 February 2009
帰国
明日、日本に帰る。渡米が2月だったので丁度一年だ。正確に言うと、一年マイナス9日。
留学先のロンドンから半年振りに帰宅した際の話。玄関で靴を脱ぎ、床についた足が木のひんやりとした冷たさを感じた時、この「靴を脱いで家にあがる」という行為が無意識に行われていたことに気がつき、「日本人だな」と思ったことがある。
これらのフラッシュバックは、明日、飛行機に乗りクルーと日本語で挨拶をするところから始まる。良いことも悪いことも、好きなことも嫌なことも、「変わったな」や「いつものとおり」も、その全てがフラッシュバック。海外から戻った時に得られる不思議な感覚だ。
留学先のロンドンから半年振りに帰宅した際の話。玄関で靴を脱ぎ、床についた足が木のひんやりとした冷たさを感じた時、この「靴を脱いで家にあがる」という行為が無意識に行われていたことに気がつき、「日本人だな」と思ったことがある。
これらのフラッシュバックは、明日、飛行機に乗りクルーと日本語で挨拶をするところから始まる。良いことも悪いことも、好きなことも嫌なことも、「変わったな」や「いつものとおり」も、その全てがフラッシュバック。海外から戻った時に得られる不思議な感覚だ。
Wednesday, 11 February 2009
Singularity University
昨日(2/10)のFinancial Timesに"Humanity 2.0: downsides of the upgrade"という記事があり、この中で"Singularity University"という新しいinstitutionが紹介されている。Kalafは結構な衝撃を受けた。
このSingularity University、理念は「"advancing technologies"の発展をもって"humanity’s grand challenges"に対処するリーダーを輩出する」と謳い、ビジョンは「特定の技術分野のエキスパートが分野の垣根を越えて人類と環境に貢献せよ」と問う(Kalafの意訳)。
創設者は、"If you stay biological and don't reprogramme your genes, you won't be around for very long to influence the debate."と挑戦的に言う(FTから抜粋)。記事が"downsides of the upgrade"と名づけられている理由がここにある。その一方で、あくまでも最終的なゴールの一つとして"humanity"を掲げる。手塚治虫の世界のようだ(手塚治虫は圧巻だ)。
面白いと思った点:
・NASAとGoogleがバックアップしている。ともに技術と科学の最先端をいく組織だ。
・Singularity Universityのステートメントの中に、"サイエンス"という言葉は一切出てこない。"テクノロジー"なのだ。これは何よりも"(デジタルの世界を含む)実体"を重んじるという意志表明なのだと感じる。
・"テクノロジー"が人類と世界を変えるという徹底した姿勢。
・アメリカの頭脳獲得と頭脳創出への飽くなき欲求。
・個人の発意を基に始まったこと。"個人の強さ"が結局はアメリカの強さであることを再認識する。
(昨日英語を扱うツールについて書いたが、このFTの記事は、実際に英語の世界に生身をもって入り込まないと得られる度合いや生み出せる次元がそもそも違うと思わせた。)
このSingularity University、理念は「"advancing technologies"の発展をもって"humanity’s grand challenges"に対処するリーダーを輩出する」と謳い、ビジョンは「特定の技術分野のエキスパートが分野の垣根を越えて人類と環境に貢献せよ」と問う(Kalafの意訳)。
創設者は、"If you stay biological and don't reprogramme your genes, you won't be around for very long to influence the debate."と挑戦的に言う(FTから抜粋)。記事が"downsides of the upgrade"と名づけられている理由がここにある。その一方で、あくまでも最終的なゴールの一つとして"humanity"を掲げる。手塚治虫の世界のようだ(手塚治虫は圧巻だ)。
面白いと思った点:
・NASAとGoogleがバックアップしている。ともに技術と科学の最先端をいく組織だ。
・Singularity Universityのステートメントの中に、"サイエンス"という言葉は一切出てこない。"テクノロジー"なのだ。これは何よりも"(デジタルの世界を含む)実体"を重んじるという意志表明なのだと感じる。
・"テクノロジー"が人類と世界を変えるという徹底した姿勢。
・アメリカの頭脳獲得と頭脳創出への飽くなき欲求。
・個人の発意を基に始まったこと。"個人の強さ"が結局はアメリカの強さであることを再認識する。
(昨日英語を扱うツールについて書いたが、このFTの記事は、実際に英語の世界に生身をもって入り込まないと得られる度合いや生み出せる次元がそもそも違うと思わせた。)
Tuesday, 10 February 2009
英語を読む、聞く、話す
インターネット、新聞、雑誌、テレビ。Kalafの日常では、時事ニュースのほとんどが英語だ。もちろん意識的にそうしている部分が大きい。
さて、国際言語である英語に慣れている人が、情報や知識へのアクセスにおける優位性を有していることは間違いない。特にインターネットがメディアの主流となった今日、英語で読み、英語を聞くことで得られる情報の量と質には、翻訳された言語で得られるそれと比べ格段の優位がある。このことはKalafも実感している。
他方、技術の発展がこの優位性をそぐ日がいつかやってくるのかなとも思う。具体的には「同時翻訳」の技術だ。
例えば、今インターネット上で読んでいるページを範囲指定し「翻訳」をクリックすると和訳が得られる。音声データに関しても同様だ。更に、自分が話したことが、その場で同時に英訳されるソフトウェア/ハードウェアが実用化されることも考えられる。これらの研究開発は当然進められていることだろう。
こう考えると、自ら英語(あるいはより広く外国語)を扱うというインセンティブではなく、個人の情報収集能力や国力を高めるという意味では、「初・中等教育の英語をどうするか」という議論より、同時翻訳の技術開発を「国策」とした方が、よっぽど実益があるのではないか。
ある程度の優位性の自覚と英語メディアに身を置く苦悶の中で、ふとこんなことを考えた。
さて、国際言語である英語に慣れている人が、情報や知識へのアクセスにおける優位性を有していることは間違いない。特にインターネットがメディアの主流となった今日、英語で読み、英語を聞くことで得られる情報の量と質には、翻訳された言語で得られるそれと比べ格段の優位がある。このことはKalafも実感している。
他方、技術の発展がこの優位性をそぐ日がいつかやってくるのかなとも思う。具体的には「同時翻訳」の技術だ。
例えば、今インターネット上で読んでいるページを範囲指定し「翻訳」をクリックすると和訳が得られる。音声データに関しても同様だ。更に、自分が話したことが、その場で同時に英訳されるソフトウェア/ハードウェアが実用化されることも考えられる。これらの研究開発は当然進められていることだろう。
こう考えると、自ら英語(あるいはより広く外国語)を扱うというインセンティブではなく、個人の情報収集能力や国力を高めるという意味では、「初・中等教育の英語をどうするか」という議論より、同時翻訳の技術開発を「国策」とした方が、よっぽど実益があるのではないか。
ある程度の優位性の自覚と英語メディアに身を置く苦悶の中で、ふとこんなことを考えた。
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