Wednesday 12 March 2008

グローバル企業とは -2

(続き)
最後の要素は、グローバルに広がるマーケットに、いかに効率良く、合理的に商品やサービスを供給できるか、という点と関係がある。

思い出してほしい。第一の要素は、限定されないマーケット、であった。この限定されないマーケットに対し、いかにして適材適所の人材配置を行うか。しかも、優秀な人材(※)は限られている。そして、意思決定プロセスであれ業務オペレーションであれ、その多くは、いわば繰り返しが基本である。

つまり、適材適所の配置とは、優秀な人材を、繰り返しが基本のプロセスやオペレーションからどれだけ遠ざけ、そのプロセスやオペレーションを構築することと、実際の意思決定をすることに割けるか、ということに他ならない。

これが、「標準化」が要素となる根拠である。

もちろん、ドメスティック企業でも同じことが言えるが、ドメスティック企業とグローバル企業では、商品・サービス群のみならず、その展開に必要なマンパワーと、また個々のマーケットに対応する難易度も格段に異なるため、グローバル企業においては、より標準化が重要と言える。

また、三つ目の要素として挙げた人の採用と配置が個人的特性によって決められないことは、 その特徴として組織間(企業外部、内部問わず)の人材の流動性となり表れる。優秀な人材は、内部的にはより大事なミッションに対して、また、外部的にはより魅力的な機会に対して、新しい配置がなされるからだ。

つまり、プロセスやオペレーションが属人的である場合、その安定性に支障が出るのだ。この意味においても、標準化は避けて通れない。

これら五つの要素に照らし合わせた場合、どれだけの日本企業がグローバル企業と言えるのであろうか。面白い問いだ。

※)ここでは、Kalafは、「差異を創り出す人材」、「新しい関係性を発見する人材」と定義としている。

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