Friday 4 April 2008

Obamaとアメリカ

Obamaの選挙キャンペーン映像を見て感じたことを書く。Obamaの二つのスピーチ、"Yes We Can"と"A More Perfect Union"をNew Yorkの高校の授業で扱った際の映像だ。

この映像を見て鮮烈に気が付いたことは、Obamaの"メッセージ(言葉)"が汎用性を持ち、この汎用性がObamaへの支持そのものであるという事実だ。

映像の中で、彼らはObamaのメッセージを何度も口にしている。Obamaの"Yes We Can"というメッセージをもとに、彼ら自身の"Yes We Can"をスピーチしてさえいる。これは何気なく、すごいことだ。そう、彼らは彼ら自身にObamaを重ねているのだ(Obamaに彼ら自身を重ねているのではない)。同様に、Obamaのスピーチが高揚感をもたらす理由の一つも、Obamaが連呼するこれらのメッセージが聴き手にとっては自分自身に言い聞かせるメッセージであるからなのではないか。

もちろんこの映像はObamaの選挙キャンペーンの一つとして作成されたものではあるが、これを差し引いても、Obamaのメッセージのエネルギーがその"汎用性"にあることに気が付くには十分であろう。

もう一つ、この映像からはアメリカの国力を感じることができるのではないだろうか。高校で、しかも恵まれた高校ではないにも関わらず、生徒がはっきりと自分の意見や考えを人前で述べる。題材は大統領選挙のキャンペーン演説だ。アメリカ社会が尊重すると言われる"個人の確立"や"自己主張"がこうして育まれていくことを垣間見た気がする。こういった側面は、Kalafの仕事の場でも十分に認識できるものだ。

Kalafにとって政治力とは、"納得させる力"あるいは逆説的に"諦めさせる力"とも言え(これは大国に共通の力だ)、この授業の雰囲気の中にこの力に通じるものを感じる。日本(人)が海外と接する上で認識すべき前提だ。

参考スピーチ:
"Yes We Can"
"A More Perfect Union"

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