Tuesday, 5 August 2008

Brothers in Holland

写真のように透明で、きらきらとした二人。Costa Ricaで出会ったオランダの兄弟から便りが届いた。Kalafが連絡先を教えただけで彼らのものを知らなく、心待ちにしていた。本当に嬉しい。

左が弟のTimo、右が兄のJesper。

とにかくかわいい。どことなくKalafと弟のようなところがまたたまらなく愛おしい。Kalafの自慢の友だち、そして自慢の兄弟だ。

旅は出会いがある。その出会いは人を豊かにする。

Sunday, 3 August 2008

映画の効能

Netflixを始めてからの2週間で6本の映画を観た。一つの映画を観ると約2時間、それなりの時間をかけているわけで、その効能について意識していたところ、映画の大きな効能に気がついた。

感性の括約筋を鍛えるや人の機微や社会の出来事に敏感になる等、映画の効能は幾つかある。これらはこれまでも認識していたものだ。ところが、"Once"を観終わったとき、もう一つの、もっと別の次元の、そして一番大きいのではないかと思う効能を発見した。

心から"好き"だと思える対象のストックが多ければ多いほど、人は幸せに豊かになれるとKalafは気がついた。そして、映画がこの対象になりうることを実感した。しかも、映画はその対象を提供するものとして比較的高い確率を持っている。

映画のシーンやストーリー、台詞を思い出すだけで、その時の興奮や喜び、嬉しさや驚きが戻ってくる。そして戻ってくる感情の種類は幾らでもある。対象により全てではないが、再生可能な場合が少なくないから感情を再生成できる。

音楽、絵、本、写真、食べ物、洋服、家具、車・・・、対象は映画でなくても良いはずだ。それが友人や恋人、家族のように人の場合も当然あるだろう。趣味やスポーツ、旅もそうだろう。また抽象的な感覚も当てはまる。これらにたった一つの共通点は"好き"と言い切れること。

"Once"をここまで"好き"にならなければ、この"線"を発見するには至らなかったと思う。Kalaf自身も大袈裟だとは思いながらも、"Once"にありがとうと言いたい。大発見だ。

Saturday, 2 August 2008

Once

Once, 2007
邦題: ONCE ダブリンの街角で

"すごく良い"映画。映画に"chemistry"がある。始まりと終わりでは、主人公の生活に半歩くらいの変化しかない。二人の恋も半歩程度しか踏み出さない。ただ、その半歩は彼らの"日常"にとっては意味のある半歩で、その半歩が進むまでの物語が優しく切ない音楽を通して綴られる。主人公の二人が、作詞作曲と歌、演奏も実際にしているから驚く。

◇Film's Message through Kalaf
- Once. ("一度"や"すぐに"というこのメッセージが幾通りにも伝わってくる。)

ほんのり甘くて、でも切なくて、そしてきらきらとした強さがあって・・・。過去への想いをどこかで抱きしめながらも、少し先の未来を明るくできるように今を進む・・・。ここまで好きになった恋愛映画は久しぶり。観終わると、さわやかさ、切なさ、心地良さ・・・、そんなパステル・カラーに包まれて脱力した(観れば分かります)。

ここにあるピアノにもっと向き合おうと思った。お薦め度は、5/5(!)。

Friday, 1 August 2008

Sense and Sensibility

Sense and Sensibility, 1995
邦題: いつか晴れた日に

19世紀のイギリスを舞台にしたJane Austen原作の恋物語。姉妹それぞれの恋がそれぞれに甘ったるい(too sweet)"・・・。ただし、ともにさわやか(上品さと節操がある)。イギリス英語に特有な非直接的な言い回しが濃厚。これはイギリス英語を好まない場合はしんどい。

◇Film's Messages through Kalaf
- Promise me you'll not change it. (相手の素晴らしさを称えて。)
- For there is nothing lost, that maybe found if sought. (彼に見向きもしなかった彼女を受け入れる彼。シェークスピアからの抜粋。)
- I've come here with no expectations, only to confess now that I am liberty to do so that my heart is and always will be yours. (Hugh GrantからEmma Thompsonへ。)

イギリスの田舎(countryside)は本当に美しいと思う。丘、木々、花、お城(お屋敷)・・・。加えて、この映画はイギリス上流階級のエチケットがきれいに表現される。アメリカ映画に比べて、イギリス映画をreservedに思うことが少なくないが、この特徴をKalafは好きだ。なお、この映画は恋物語として有名。お薦め度は、2.5/5。

Wednesday, 30 July 2008

Naples and ...

先週末に、この夏からTennesseeのロー・スクールに留学する友人が遊びに来た。金曜日に空港で再会し、そのままMatsuriに行く。鮨。土曜日はEverglades National Parkでワニ探し、その夜はOsteria del Teatroでのディナー。

事件は日曜日に起きた。Naplesに向かうハイウェイ、しりとりをしながら快調に走っていたKalaf、脇に停まっていたパトカーに気が付くのが遅れた。ミラーには動き始めるパトカー。そしてパトカーの屋根のライトが回り始める。スピード違反だ(約20km/hの違反)。フロリダは取り締まりが厳しいと聞いたことがあったのだが・・・。

"ついていない・・・"と落ち込んでいると警察官が歩いてきて、免許を見せろと言う。免許を渡すとパトカーに戻り、そしてまた戻ってくる。その間、減点や罰金のみならず、裁判所やら弁護士やら何かと面倒と聞いた今後の手続きを思いさらに気が滅入る。

ところが、・・・Kalafはついていた。警察官に手渡された紙には"COURTESY WARNING(親切な警告)"と書かれている。そして、警察官は"今回はこの警告だけで何もしなくて良い。今後は気をつけて運転するように。良い一日を"と言う。嬉しさと安堵を表情に出さないように平常心で"ありがとう"と言い、再発進する。青い空、真っ直ぐ続くハイウェイを再び滑走したくなる気持ちを抑え、巡航運転が続いた。(この事件は、しりとりが"むさし"で切れたことにちなみ、"むさし事件"と名づけられた。)

さて、ようやくNaples。Naplesはフロリダ半島の西側にあり、メキシコ湾に面している。南東の端にあるマイアミからは車で約2時間の距離だ。

マイアミの砂浜は人工であるのに対し、Naplesに限らずメキシコ湾側のビーチは天然の白い砂浜で知られる。きれいな白、細かくさらさらな砂。前日にTargetで購入した浮き具でプカプカしたり砂浜で昼寝をしたりと、実はマイアミに来て以来始めての"ビーチ遊び"だった。楽しい(笑)。

Naplesのビーチというより、むさし事件が刻まれた週末だった。

Thursday, 24 July 2008

Sweet Sixteen

Sweet Sixteen, 2002
邦題: Sweet Sixteen

前回に引き続き、Ken Loach。姉の弟(主人公)への愛、弟の母への愛、母の父への愛。この循環しない愛が、16歳の誕生日を迎えるScotlandの青年とその親友が刑務所から出てくる母のために"家"を買うまでを通して描かれる。

◇Film's Messages through Kalaf
- Look at yourself. (姉の弟への言葉。)
- You gonna get yourself sorted out. (同上。)

あまりにもrealisticなScotlandの労働者階級の生活(Scottish filmsはこの類いが少なくない気がする)。母に家を買うという主人公の"sweetな夢"は"bitterな現実"に呑み込まれるが、無垢な主人公の楽観が映画をmiserableなものにはしない。お薦め度は、2.5/5。

Wednesday, 23 July 2008

The Wind That Shakes the Barley

The Wind That Shakes the Barley, 2006
邦題: 麦の穂をゆらす風

1920年、Ireland。独立を巡る大英帝国との争いとその後のIreland内の抗争を激しいまでの友情を通して描いたもの。ミディアム・テンションが映画全体を貫き、所々でハイ・テンションすら超える。shocking & incredibleなエンディング。Irish filmsによく見られる風景の描写と音楽が素晴らしい。Kalafはこの手の物哀しく、きれいなIrish filmsを好む。

Sixteen FilmsというKen Loach監督が率いる映画会社による映画。つい最近、KalafはこのSixteen Filmsに出会ったが、好きになる予感。

◇Film's Message through Kalaf
- Get off my land! (領土を巡る抗争は常にこの一言に集約される。特にordinary peopleにとっては尚更そうだろう。)

日本の幕末も似た雰囲気があったのかもしれないと思わずにはいられない。スピーチのリファレンスとして、大英帝国との条約の批准を巡るIrish Parliamentのシーンは見もの。お薦め度は、4.5/5。

Saturday, 19 July 2008

Hotel Rwanda

Hotel Rwanda, 2005
邦題: ホテル・ルワンダ

1994年に起きた50万人から100万人が殺されたと言われるルワンダでのフツ族によるツチ族の大量虐殺。フツ族の主人公が切り盛りするホテルに逃げ込んできた1,000人以上のツチ族をホテルに匿いながら、最後は彼らと亡命を果たすという話。虐殺に怯える彼らへの正義感、ツチ族の妻そして家族を守る主人公の愛は文字通り"powerful"。

◇Film's Message through Kalaf
- There is always room. (勇気と使命感ある楽観。)

映画としてとらえるのか、ある国の出来事として理解するのか、それとも何かしらのengagementを感じるのか・・・。お薦め度は、4.5/5。

Friday, 18 July 2008

The Motorcycle Diaries

The Motorcycle Diaries, 2004
邦題: モーターサイクル・ダイアリーズ

早速Netflix

23歳のチェ・ゲバラが友人と南米大陸を旅した際の"日記"を映画化したもの。通り過ぎる街々で目にする生活の現状が彼の革命への信念を芽生えさせる、等の説明もあるが、映画そのものは旅をする青年二人が行く先々で受け入れられる、あるいは突き放される姿を淡々と描いたもの。粘度の高い青春ストーリー。

◇Film's Messages through Kalaf
- Mothod: Improvisation (旅の方法について一言。なるほど!)
- Love for the open road. (オープニングにて頷く。)
- We travel just to travel. (分かる・・・。)
- I am not me anymore, at least I am not the same me I was. (エンディングにて頷く。)

旅好きにはすっと入る、旅に出たくなる映画。南米の景色や人々を写す映像がきれい。お薦め度は、3.5/5。

Costa Rica -4: Arenal + FUN!

オランダ家族(と他のパーティ)と別れた後、Arenalに向かう。活火山だ。

豪雨の中、夕暮れ時にVolcano Hotelに到着する。眺めていると時折り煙が噴き上がる。思わず声が出る。

(写真で、縦に色が異なる箇所が溶岩の通り道。)

夜中、ふと目を覚ますと赤い火が流れている。それが溶岩だと気がつく。今度は無言で凝視する。静寂にごろごろと火山が鳴る音が聞こえる。視覚はきれいだと言い、聴覚そして心理は怖いと言う。日本での火山災害を考えれば不謹慎なのかもしれない・・・。

翌日はCanopy!地上数十メートル、山の中腹から隣の山の中腹まで数百メートル(最長800m弱!)のワイヤが走り、このロープに滑車を引っ掛けターザンする。ナマケモノのようにぶら下がり、"自然体"のままワイヤの下を滑っていく。このCanopyは"恐ろしく楽しい"。まさに未体験ゾーン。(なお、力むと宙吊りのまま途中で止まることがあるらしい。その場合は、宙吊りのままワイヤを手繰り寄せ対岸まで進むとのこと・・・。)

向かいの山に身を投げ出した後、まずは恐怖を我慢する。開き直れば、直に慣れる。その後は爽快に身を流れに任せる。Kalafは高い場所が好きではなく、落ち着いて考えれば頭がおかしいくらい恐ろしいのだが、一度慣れると"Wowww!!! Ohhh!!!"の感覚。両足を投げ出した急な下り坂の自転車、それが逆さまかつ宙吊りになって、360度どころか球状パノラマの中を猛烈な勢いで滑る。こう書けば何となく想像できるだろうか。なお、飛行機の乱気流のような落下感覚はない。

これを確か7本続ける。最初に、地面すれすれの短いトライアルがあるのだが、ここを過ぎると引き返せない。ひたすら対岸を目指し恐怖のそして歓喜の絶叫を続ける・・・!思いがけずCanopy好きになった高所恐怖症のKalaf、またやりたい(笑)。

Canopyで冷や汗をかいた後の締めくくりは今回最後の目的地であるTabacon温泉。林の中の自然風複合プールを温泉が流れると言ったところか。

日本を離れて以来、全身をお湯に沈める。温泉風情はほとんどないのだが、日本人だなと思う。