Monday 25 August 2008

砂と石と泥

松本健一、『砂の文明・石の文明・泥の文明

文明を三つに、すなわちイスラムの"砂"、欧米の"石"、アジアの"泥"に分類し、それぞれの説明を試みた文明論。砂を"ネットワークする力"、石を"外に進出する力"、泥を"内に蓄積する力"と説く。文明論としては特に真新しいことが書かれているわけではないが、"文化"・歴史的な記述は示唆に富み、世界の"極"の思考プロセスへのヒントが得られる。

欧米の"プロダクト・イノベーション(富の生産手段)"、アジア特に日本の"プロセス・イノベーション(富の生産工程)"という表現はしっくりくる。日本はこの"後追いの美"を前向きに発想できれば気が楽なのにと思う。

やや懐古的あるいは愛国的な思想が散見されることは否めない。

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